COCON bldg.

京都市右京区に建つ、浴衣の企画デザイン販売を生業とする会社の自社ビル新築計画です。
複合建築物として、オフィスのほか、新事業とされる撮影スタジオとカフェを併設しています。
計画地は三又交差点に面しており、台形の敷地を活かして道路に対し建物を斜めにせり出す配置とすることで、ビルの視認性を向上させました。また、周辺の街並みに調和しながらもインパクトに残るデザインを意識し、外観の木調サイディングは木のリアルさを追求しました。ジョイントが見えないようサイディング割を慎重に検討したことで、すっきりとしたデザインを実現しています。
また、3階の撮影スタジオの天井高をできるだけ高くとるために、1、2階の階高を抑えることになりましたが、スケルトン天井とし、配線ラックと一体化した照明計画などで圧迫感が感じられないような設計としました。
1階は、自社ECサイトにて販売している家具を体感できるカフェです。アクセントのターコイズブルーが映えるワイドサッシの採用や梁現しの内装とすることで、明るく開放的な雰囲気を演出しています。また、内装に特徴を持たせたユニークな個室を設けました。
2階のオフィスは、壁面や家具はシーンに合わせた素材や配色でカジュアルなイメージを演出しています。明るくポップな内装は遊び心を感じさせ、豊かな発想や活発なコミュニケーションが生まれるような空間としました。
2階EVホールと廊下はブルーのライン照明を設置した、施主が意図した「来客があっと驚く近未来的な空間」としました。
3階は、様々なニーズに柔軟な対応ができる3種類の撮影スタジオがあります。勾配天井部分で4mもの天井の高さを確保し、開放感のあるスタジオ空間としました。白を基調とし、借景となる隣接する公園の緑が美しく映えます。
建築のところどころに「おもしろい」ポイントを散りばめた、施主の思いが詰まった社屋を実現しました。

photo by Daijirou Okada