祇園町醫院

祗園・花見小路に残る、かつて飲食店として使われていた町家を、診療所としてリノベーションしました。
既存図面では把握できない段差や柱・梁、土壁などの状態を丁寧に調査し、手を加える箇所を整理しました。そして、既存の構造を活かしながらデザインを進める方針のもと、診療所として快適に機能するように注力し、平面計画を行いました。
サイン計画では、暖簾や行燈を用いて診療所のサインとし、案内図は建物の外観に馴染むよう計画しました。
町家特有の風情を残しつつ、待合までは少し暗めの落ち着いた空間としています。待合からは中庭を望むことができ、人と人とが近い空間で井戸端会議のような交流も生まれる、町に溶け込む診療所を目指しました。
町並みの保全に配慮しながら、地域の方々はもちろん、周辺で働く芸妓さんや舞妓さん、さらには外国人観光客など、多様な利用者に親しまれる診療所となることを願っています。