PROJECTわたしたちのプロジェクト
oinai guest house 大黒町
六軒長屋の京町家一棟を、小さな宿へ再生
築110年以上の空き家を、地を活かした京町家の宿へ
歴史的に貴重な価値を有する町家ですが、住民の高齢化や建物の老朽化に伴う空き家も多く、
その再生・活用を進めることが、行政のみならず地域の課題になっていました。
本物件は、清水五条の築110年以上の京町家です。
近くには有名な観光地や文化財も多い立地と、細い路地を一本入った六軒長屋でもあったことから、京都らしい宿として、全体の造りはほぼ既存を活かして再生する企画としました。
近所の銭湯に通う風習から、既存に風呂場が無かったため、従来の大きなキッチンを小さく変更することで、快適な洗面やトイレ・シャワールームを室内に確保しました。
さらに、昔ながらの五右衛門風呂を思い出させるような、信楽焼の風呂釜を坪庭に設置し、プライベートな露天風呂として、贅沢な水回りを整えました。
インテリアは老若男女問わず、広い世代に親しんでもらえるよう、カジュアルな色合いや素材を選択し、また、防虫効果のある天然の弁柄を使用して木部を再塗装したり、最新技術の光触媒で空気清浄や消臭・殺菌効果のあるインテリア塗料を選ぶなど、工事部分以外はスタッフの手で仕上げています。既存や昔ながらの京町家を活かしつつ時代に合わせてカスタムするアイディアを楽しめる建物となりました。
自社で運営することの強みと可能性
私たちの運営するコワーキングスペース「oinai karasuma」が五年目を迎えるにあたって、検討したのが、新たな運営展開です。
設計事務所が運営する場の、新たな展開として「宿」を設計・企画・運営し、様々な可能性を見出すためのプロジェクトとして始動しています。宿泊施設の需要が増える中、一貫して設計・企画・運営行うことで、様々な声を吸い上げ実体験として反映することができ、さらにはコワーキングとの融合や、新しい旅の形の提案にも可能性を見いだせる案件となりました。
photo by Daijirou Okada
- 規 模
- 木造2階建 京町家
- 設計期間
- 2015.09 - 2015.12
- 施工期間
- 2016.1 - 2016.4
- 敷地面積
- 36 m²
- 延床面積
- 49 m²
- U R L
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