Premium Apart MONday 京都五条

五条通に面した既存の事務所テナントビルをホテルへ用途変更したプロジェクトです。
建物はコロナ明けの時期に竣工したものの、事務所テナントビルとして当初想定していた需要が見込めなかったことから、ホテルへの転用を決定しました。
1フロアを4室に分割し、ゆとりのある客室構成とすることで、快適性を重視したアパートメントホテルを実現しています。各客室には洗濯乾燥機やキッチンを設置しており、長期滞在の需要を見込んだ仕様としました。
既存建物は事務所テナントビルとして1フロア貸しで使用されていて、大きな窓は五条通側にしかありませんでした。4室に分割したことで通りに面していない客室には旅館業法上必要な開口が不足したため、新たに必要な窓を設け、法的要件を満たすよう計画しています。
外壁やエレベーター、多機能トイレなどは既存を活かしつつ、必要に応じて設備の更新を行っています。
ファサードについては既存仕上を残しながら、デザインしています。3階からの庇は元々コンクリート打放しでしたが、木目調塗装を施すことで温かみのある表情を持たせました。さらに、エントランス上部には和柄をモチーフにしたアルミパネルを光壁として設置し、京都らしさを演出しています。
客室はインバウンド需要の高いアパートメントホテルとして、白木系の木目を基調に、障子や木製ルーバーを取り入れた和モダンの空間としました。1室あたり5～6名での利用を想定しており、バリアフリー基準が厳しい中で、ソファやベッドの配置については何度も検討を重ねて最適なレイアウトを導き出しています。
また、ソファクッションやベッドスロー、ロールスクリーンの色決めから、FFE家具の選定まで一貫して担当し、設計からインテリアまでトータルでプロデュースしています。

撮影：株式会社エスエス 松下 由佳