地下鉄「丸太町」駅から徒歩5分、4階建ての医療系テナントビルです。
敷地は丸太町通りに面し、周辺には大丸ヴィラや御所、日本赤十字病院があります。
医療系テナントが集まるビルのため、地域に根差し、訪れる人に安心感を与える空間となるよう、建物全体に清潔感と、ほどよく明るい印象を持たせました。
また、大丸ヴィラや御所の緑を借景として、京都市中の中心地でありながら四季折々の自然を感じられることも当ビルの魅力の一つです。
各テナント専有部の床面積は、100㎡を切らないように計画しました。
外観は、S造でよく使用される外壁材のALC感を極力出さないように、サッシの幅、高さを目一杯取りました。日中は窓から差し込む光が、空間に明るさをもたらします。
1階アプローチの各テナントのサインは、扇状とすることで奥行きを持たせて間口の狭さを感じさせず、来客のアプローチ動線を受けやすく計画しました。サインの間接照明は、夜の顔も当初より考えて設計しており、日中とはまた違った表情で、訪れる人を迎え入れます。
また、軒裏のみでなくアプローチの天井にも同材を使用することにより、奥行きがあるように見せる工夫を施しました。
オーナーテナントは2店舗入っています。間口が狭く細長い建物のため長い廊下ができましたが、通路の途中に間接照明付のニッチを設け、意匠性を上げました。テナントの1つは、細長い廊下を進んだ先が施術室となっており、目の前に広がる大丸ヴィラの緑が、室内に新鮮な心地よさを生み出しています。

photo by Daijirou Okada