京都の中心に位置する、ホテルタイプの宿泊施設のプロジェクトです。
敷地は堀川通に面しており、周囲の景観の維持・向上を意識しました。
エントランスは建物の下をくぐって入った位置に設けており、堀川通の喧騒からリセットできるスペースを介して、旅の憩いのひとときへの期待を感じさせます。
客室は計21室あり、下層階は階に3室、上層階は階に2室で構成されており、規模の大きいホテルには無いプライベート空間を味わうことができます。
外観は周囲の景観に調和しながらもホテルの個性が感じられることを考え、和装に見られる平織をモチーフに親しみのあるデザインとしました。コスト面から外壁をALCとし、ALCのプロポーションを活かして縦糸と横糸に見立てることで、堀川通りのスケール感に対応しています。また縦糸と横糸の色彩を変えることでフラットな外壁があたかも屈曲しているように錯視し、墨色と土壁色の外壁面が豊かな表情を見せます。
法的に必要なバルコニーや窓の部分にコントロールされるのでは無く、素材や部分を見立てて整理することでホテルの持つ個性が表現されたデザインとしました。