岡崎地区、疏水沿いに建つ寄宿舎は、１Fに駐車場があり、上階は極めて雑居な生活空間でした。
綺麗な桜並木の前にありながら見向きもされない建物で非常に勿体ないものでした。そこで私達は歴史のある疏水という一つの糸口から、レンガというキーワードにたどり着きました。
外壁から共用廊下、おまけに部屋内まで贅沢にレンガタイルを貼りました。
天井高が非常に高いという特性も、ロフトを作るには好条件でした。１Fにはモスグリーンの鉄扉を用いてギャラリーやカフェが建物全体のコンセプトと調和するよう、配慮しています。
竣工してすぐに桜が咲きました。
ほのかにピンク色を帯びた木々に、再生した古ビルがよいコントラストです。この物件は完成前にもかかわらず全部屋満室となりました。

Photo by Daijirou Okada