SOLUTIONわたしたちの解決方法

革新的な京都のものづくりビル市街地の中心にあるクリエーターの交流の場

TOKIWA BLDG.(トキワビル)


BACKGROUND

オーナーは1842年創業の歴史ある呉服店です。場所は、京都の市街地の中心・四条烏丸。烏丸通沿いにある自社ビルの、未使用部分を商業ビルとして再生するリノベーションを行いました。 解決すべき課題は多くありました。例えば、耐震ではウイークポイントになるL型の平面、呉服店ならではの大広間の間取り、道路からセットバックした建物は両隣のビルの陰に隠れてしまい、商業ビルとしてはデメリットとなります。

INSPIRATION

ビルの中に烏丸通を行き交う人々を誘導し、交流の拠点となる場をつくりたいと考えました。オーナーには「現代をとらえながら古典を踏み外さない」という、ものづくりの哲学があります。オーナーと若いクリエーター、異業種のデザイナーや人々との交流によって、新たなプロダクトやビジネスが誕生するのではないか。それが京都の活性化にもつながるのではないか。そして、このビルの立地や規模、歴史もそれにふさわしいと感じました。 あとは、人々を惹きつけるコンセプトが必要です。そこで思いついたのが、学び舎である「番組小学校」です。日本初の小学校をつくったのは京都でした。明治元年(1868年)には、町の行政区画として敷かれた64の番組に1校ずつ番組小学校の建設が進められました。それが現在も学区として引き継がれています。地元・京都の歴史と、オーナーの呉服店の歴史をリンクさせました。

元明倫小学校 現京都芸術センター

TECHNIQUE

1階正面の商品搬入口の部分は、動線を変更してテナントスペースとしました。オーナーにとっては少し不便になりますが、ご納得いただきました。3・4階にも3店舗のテナントを確保しています。テナントはビルのコンセプトに合い、ビルの価値を高める内容に限定することとしました。4階は3店舗分すべてを当社が借りあげ、コワーキングスペース『oinai karasuma』を運営しています。 各階中央の廊下のデザインは、番組小学校に見立てたデザインに統一しました。2階以上の廊下は、独特のレトロな風合いを出すために、栗の木の無垢材にエイジング加工をしています。1階の床のモザイクタイルは、今回のために発注した信楽焼のオリジナルで、世界に一つだけのものです。

EFFECT

内装をスケルトンの状態で終わらせ、工事費を低くおさえていることで事業収支は向上しています。当社の企業イメージもまた、トキワビルの後押しによるものです。