SOLUTIONわたしたちの解決方法

全フロアを路面店にビルと街を活性化する

MIVNA(ミブナ)


BACKGROUND

四条大宮は、ひと昔前、繁華街として栄えていたエリアです。映画館も複数あり、多くの人でにぎわっていました。 この辺りは古くから壬生(みぶ)と呼ばれ、新撰組にゆかりのある壬生寺や、京の伝統野菜の壬生菜などが有名です。ビル名のMIVNA(ミブナ)は、地域への親しみをこめてつけました。 MIVNAは商業ビルとして、オーナーの事業の成功はもちろん、四条大宮の再活性化もかなえられるようにと計画しました。

LOCATION

四条大宮は五辻になっており、敷地は四条通と大宮通の角地です。敷地の周囲の半分以上が道路に接し、どの交差点からも建物を眺めることができます。

INSPIRATION

商業ビルはテナントが空きなく入ってこそ成り立つものです。ではテナントに入ってもらいやすい条件は何かと考えれば、通りに面する路面店であること。路面店のメリットは、外から店舗の様子が見え、お客様の入店をうながせることです。 そこで、「上階までの全フロアを路面店にする」というアイデアが浮かびました。通常であれば1階のテナントだけが路面店となりますが、2階以上にも半屋外の通路を設け、店舗の正面を外部に向けることで、立体的に路面店の条件をつくることができます。

TECHNIQUE

商業ビルの設計では、一般的に、廊下は建物の内側に、店舗は外側に配置します。つまり店舗の正面は、路面である1階以外(2階以上)は、外部からは見えません。MIVNAでは逆に廊下を外側にして店舗を内側にし、正面を外側に向け、さらにガラス張りでそれぞれの店舗の様子が外から見えるようにしたのです。


全フロア路面店の概念図

外側に設けた廊下は壁をなくし、庇(ひさし)を設けて半屋外としています。訪れる人々が移動する動線、消防法の面からは避難通路にもなるようにしています。また、半屋外のスペースは延床面積に算入されません。 5階建以上の一般的な商業ビルで半屋外のスペースがあるのは、京都市内では珍しい存在です。

EFFECT

四条大宮のそれぞれの道路から、半屋外の通路で入店を待つ人々の行列も見え、ビルの活気が街に伝わり、宣伝効果にもつながっています。 とくに夕刻からはそれぞれの店舗の照明が映え、一帯を明るい雰囲気に変えることができました。沈みがちであった四条大宮の印象を払拭しました。

ビルの外観は、景観条例を守りつつ洗練されたデザインを工夫しました。