INSPIRATION
建物の前には岡崎疎水が流れ、春にはその両岸に美しい桜(染井吉野)が咲きます。岡崎疎水とは、明治時代、琵琶湖の水を京都市に運ぶために造られた琵琶湖疎水から続くもので、これを活用し日本で初めて水力発電も行われました。蹴上にある発電所や水路閣などはレンガ造で、現在も京都の名所として素晴らしい景観をもたらしています。 岡崎の疎水とレンガと桜。このコンセプトで創造するリノベーション・マンションなら、必ず満室になると考えました。
TECHNIQUE
外壁やインテリアに使っているレンガ調タイルは、今回のために発注した信楽焼のオリジナルのもので、独特の質感が出るようにしています。1階の店舗のスチールサッシも、レトロ感を大切にしたいため一からデザインし、制作しました。サッシは一般的に、テナントのアレンジの自由度を高めるために付けずに引き渡すことが多くありますが、今回は建物のコンセプトやデザインを統一したいため、固定することとしました。コンセプトに合う雰囲気の店に入ってもらうことを想定し、柱割を活かしてファサードに小さな店舗スペースを3つ並べ、マンションの入口は側面に移動させました。テナントにとっても借りやすく運営しやすいスケール感にしています。 損傷の大きかったマンション部分についても、当社のリノベーション経験が豊富な施工技術と適正価格で、建物のコンセプトと連動させた仕上がりを可能にし、エレベーターも新設しました。
EFFECT
建物の完成を桜が満開の時期に合わせ、理想どおりの景色をつくりました。 コンセプトを表現するファサードデザインや店舗の規模を徹底したことが効果につながり、コンセプトを共有できるテナントが入ってくださっています。